【所長のコラム】/鏡森定信

コロナ感染にどんな飲食物が関係したか?

 今回のコロナ感染に飲食物が影響したとの報告が出始めた。
 英国栄養学会誌(Li X, et al. Br J Nutr. 2023 Nov 6.)では、
①感染:減らす方向を示したのは、その程度の大きい順に無塩ピーナッツ(対照に比べて0.5倍(OR値:0.5)、牛肉(0.59)、豚肉(0.63)、加工肉(:0.76)、牛乳(0.82)であった。一方、増加したのは、コーヒー(1.2)、紅茶(1.2)だった。
②入院:減らす方向を示したのは、牛肉(OR:0.51)のみで、赤ワイ(2.4)、ドライフルーツ(2.1)、紅茶(1.5)で増加した。
③重症化:減したものは無かった。赤ワイン(OR:2.8)、コーヒー(2.2)、ドライフルーツ(2.0)で増加した。
 これに加えて、後遺症の研究も出てきた。イカ、タコ、貝類に多いタウリン(准必須アミノ酸)が少ない患者では対照に比して経過が悪く、死亡も多かった(Cell Report Medicine.2023.10.26)。タウリンの摂取量は家守らの国際比較調査で日本が世界一である。私達も富山でこの調査に加わっておりそれを確認している。その後、私達は富山と内蒙古の学生を比較し内蒙古ではタウリン摂取量が富山の半分くらいであり、その彼らにタウリン剤を服用して貰うと、コンピュータ作業疲労が軽減することを網膜電図で確かめた。動物実験ではタウリンの延命効果が証明されている。タウリン摂取の多くは魚による。
 ちなみに、富山は魚全体でもそうだが、イカの購入量が全国トップクラスである。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加