【所長のコラム】/鏡森定信

コロナ・ワクチンの添加物のアレルギー

 新型コロナmRNAワクチンに添加されているポリエチレングリコール(PEG)へのアレルギーが注視されている。PEGは非常に高い吸湿性と保水性という特性を有し、医薬・化粧品や家庭製品に広く使用されている。大腸検査に使う下剤やその他の緩下剤、注射薬にも使用され、軟膏基剤、座薬基剤、錠剤のコーティング剤や結合剤として使用されている。同様の目的でワクチンにもmRNAの安定のために添加されている。他にもスキンケア化粧品、ボディ・ハンドケア製品、シート・マスク製品、メイクアップ化粧品、化粧下地製品、洗顔料、洗顔石鹸、シャンプー製品、トリートメント製品、ボディソープ製品、クレンジング製品、ヘアスタイリング製品など実に多くの物にも用いられている。また、タバコのヤニ除去有効成分でもあるのでそれを添加した薬用歯磨剤もある。
 食品添加物としては禁止されているが、オーストラリア、ニュージーランド、香港では消ほう剤としての使用が認可され、マレーシアでは食品調整剤、フィリピンでは表面処理剤としての使用が認可されている。
 簡便な皮膚プリックテストでは、PEGに対するアレルギーを判定できないので、ワクチン接種後15~30分の待機でアレルギー・アナフラキシーに備えることが肝要である。
 ワクチン接種後のトラブルが女性に多いのは、化粧品などPEG添加製品の使用が女性に多いからではないかと疑っている医師もいる。

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