【所長のコラム】/鏡森定信

新型コロナには労働衛生工学専門員との巡視で換気チェックも!

 3密がコロナ感染予防に有効なのは数々の調査研究で明らかにされている。3密を無視すると感染の危険が10数倍高まるとの報告もある。3密の密閉には有効な換気は特に大事である。
厚労省の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議は、可能であれば2方向の窓を同時に開けての換気、空気調和・衛生工学会と日本建築学会は、換気回数2回/時(1時間に部屋に入る外気量を室容積で割った値、1時間に2回空気を入れ替えることに相当)を薦めている。前者では気流、後者では換気量のチェックが必要となる。事業所ではいずれも機械の助け(30m3/h の換気量の確保)なしでは達成されないこが多い。産保センターの労働衛生工学専門員の出番である。密閉が困難な部署では、適切なフイルターや空気清浄機の利用も考える必要がある。当センターでは事前に連絡してもらえば、無料で専門員に巡視に同行してもらえる体制になっているので、ぜひご利用願いたい。
換気の対象となるウイルスエアロゾル核は数時間その感染性を保持しているらしい。医療関連機関では、トイレと更衣室はそのホットポイントだとの報告もある。それぞれの事業所でこのようなホットポイントの見極めと換気法へのアドバイスは当面事業所巡視の優先課題である。

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