【所長のコラム】/鏡森定信

看護職が取り組んだ職場の環境改善 ーポピュレーション・アプローチ版―

 当支援センターで毎年恒例の産業看護研究会学術集会の第19回がこの3月16日、何時もの様にグループワークで開催された。一つの発表を聞いた後、数人からなるグループで討議し、それを全グループが毎回発表したので13時から17時過ぎまでかかった。発表会前に当センターでの看護セミナーで数回検討していたのでしっかりした報告だった。
 今回は全てアクション・リサーチの発表会であった。各事業所に高血圧治療促進の働きかけをした健診機関、オンラインでメンタルのラインケア研修会をした電力会社、スマホアプリを使い運動機会の創出を各支店で行った自動車販売会社、地域組織を多層的に巻き込んで野菜プロジェクトを実施している市健康センターの4発表、いずれも集団へのアクションであった。職場全体の健康増進、すなわちポピュレーション・アプローチである職場の環境改善の活動である。今日的課題のメンタルヘルスの核・芯である職場全体での相互支援への活動が産業保健に期待されている。この集会には、当センターの相談員やスタッフらの参加もあり、多層的参加と成果への共創(Co-operative)の点でも産業保健に求められている運営だと思う。次回の20回には事業主にも参加できればと願っている。

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