HOME > 産業保健Q&A(回答)

産業保健Q&A(回答)

Q:過重労働対策について教えて下さい。
【回答者】富山産業保健推進センター相談員 稲寺 秀邦
回答
過重労働(働き過ぎ)がこうじますと、脳・心血管障害による突然死や、うつ病が引きがねとなる過労自殺が生じる場合があります。このため、平成18年4月1日に労働安全衛生法が改正され、過重労働対策として、医師による面接指導の実施がとりいれられたことはご存知だと思います。この制度は、1週当たり40時間を超えて行う労働が1ヶ月当たり100時間を超え、かつ疲労の蓄積が認められ、かつ労働者の申し出がある場合、事業者に面接指導の実施の義務づけ等を定めたものです。

しかしこれだけで過重労働が引き金となる、過労死や過労自殺を全て防止できるわけではありません。また人により時間外労働が少なくても、精神的・肉体的に負担となる場合もありますので、この条件を満たさなくても、事業場により独自の基準を設定し、過重労働対策に取り組むことも必要となるでしょう。

ストレスは職場の過重労働だけでなく、家庭の環境、経済的な要因によっても影響されます。仮にこれらのストレス要因が重なっても、サポート体制が整っていれば、軽減させることも可能です。予防にまさる方策はありません。全ての人にとって、過重労働にならないような方策、例えば職場の適正配置、時間外労働の制限、職場・家庭・コミュニティのサポート体制の構築が必要といえるでしょう。


質問へ戻る

ページの先頭へ戻る