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産業保健Q&A(回答)

Q:「石綿肺」「胸膜プラーク」などの病名でも労災認定されますか。
【回答者】富山産業保健推進センター相談員 吉田 壽光
回答
「石綿による疾病の認定基準」(平成15年9月19日付け基発第0919001号)によれば、石綿との関連が明らかな疾病として列記されているものとして、次のものがあります。
   1 石綿肺(石綿肺合併症を含む。)
   2 肺がん
   3 胸膜、腹膜、心膜又は精巣鞘膜の中皮腫
   4 良性石綿胸水及びびまん性胸膜肥厚

 いずれも要件が定められておりますが、「石綿肺」については、次のいずれかに該当する場合に、業務上の疾病として取り扱われます。

〓じん肺管理区分が管理4と決定されたこと。
〓じん肺管理区分が管理2、管理3もしくは管理4と決定され、石綿肺に合併した肺結核、結核性胸膜炎、続発性気管支炎などの疾病(注・じん肺法施行規則第1条第1号から第5号までに掲げる疾病)にかかっていること。

「胸膜プラーク(胸膜肥厚斑)」については病名というより、石綿ばく露指標として重要な医学的所見のひとつであり、上記2の「肺がん」及び3の「中皮腫」の認定に際しても要件のひとつとなっております。
 具体的には、「肺がん」の場合で例示いたしますと、石綿ばく露労働者に発症した原発性肺がんであって、次の〓又は〓のいずれかに該当する場合には、業務上疾病として取り扱われます。

〓じん肺法に定める胸部エックス線写真の像が第1型以上である石綿肺の所見が 得られていること。
〓次のア又はイに掲げる医学的所見が得られ、かつ、石綿ばく露作業への従事期 間が10年以上あること。
 ア 胸部エックス線検査、胸部CT検査、胸腔鏡検査、開胸手術又は剖検により、胸膜プラーク(胸膜肥厚斑)が認められること。
 イ 肺組織内に石綿小体又は石綿繊維が認められること。

なお、上記〓及び〓に該当しない原発性肺がんであって、次のア又はイに該当する事案については、本省に協議することとなっております。
 ア 上記〓のア又はイに掲げる医学的所見が得られている事案
 イ 石綿ばく露作業への従事期間が10年以上である事案

その他詳細については富山労働局労災補償課又は各労働基準監督署へご照会願います。


平成17年11月11日


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