【所長のコラム】/鏡森定信

メタボのリスクを抑える昭和50年の和食

 メタボ健診の有効性に疑義を呈する調査結果が大学の研究室より報告された。このメタボ健診で一番多いのは高脂血症である。これと和食に関する研究(和食文化ブックレット4.和食と健康.和食文化国民会議監修;渡邊智子 、都築毅.思文閣出版、京都. 2018)を紹介する。
 国の栄誉調査をもとに1960(昭和35)年、1975年、1990年、2005(平成17)年の食事を再現し粉砕均一化したものをマウスに自由摂食させて経過を観察した。
各年代の食事を比較したところ1975(昭和50)年の食事が最も健康的な結果を示した。項目をあげると、①体重、②内臓脂肪、③肝臓の中性脂肪、④インスリン抵抗性など高脂血症に関する効果、⑤平均寿命、⑥外見の老化度、⑦学習記憶能力もベストであった。昭和50年の食事の特徴は、豆腐や油揚げなどの大豆製品が多く使われ、砂糖などの甘味料、果実、藻類、魚介類、卵類、調味料及び香辛料が多く、食材の種類が豊富などであった。近年は和食の抗認知症作用も報告されているが、和食の中身にも留意が必要だろう。
 なお、食事の中身を変えず、食事時間を起床から夕方までに戻すだけでもメタボ健診項目の改善がみられるとの研究もある。食事面からのメタボのセルフケアを考えたい。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加