【所長のコラム】/鏡森定信

週4日勤務、金曜日からの3日間週末、ワーケーション

 先日、高岡地産保の事例検討会に出席した。全国的シェア製品企業の職場巡視供覧とレクチャーに当該企業の社長と産業医数十人がSDをとり3部屋で受講した。当センターの小杉相談員は、健診後の事後指導のレクチャーで、指導には健診データだけを診るのではなく作業環境や作業態様の指導・改善が絡むことを強調していた。事後指導業務が増えているが、担当になった産業医から、“その事業所の実態を知らないので無理“ と言われてコーデネータが苦労することしばしばである。当然ながら対象事業所の労働環境の把握が前提となる。当日、労働と直接関連ない生活習慣病まで産業保健の守備範囲かとの問いに、小杉相談員はライフ・ワークバランスの立場から、安全で健康的な生活が送れるようトータルの視点の産業保健の必要性を述べた。
 米国では、ワーケーションは勿論、エアロビックスや瞑想・ヨガ室開設、子弟教育や老親介護まで目配りして”働く基盤の確保“に努める企業が増えている。トップ企業では、週4日勤務、金曜日から3日間週末さえ取り入れ、ライフ・ワークバランス、ストレス解消、生産性の向上を誇っている。一方、COVID-19禍で労働者の産業保健の企業間格差がますます拡大している。産業保健の悩みは大きい。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加